研究課題
若手研究
膠芽腫の放射線抵抗性は腫瘍内低酸素領域が原因であることに着目し、低酸素領域特異的に集積するニトロイミダゾール化合物に着目した。ドラニダゾールは、膠芽腫の低酸素領域の放射線増感作用に加え、単独で低酸素領域にある腫瘍に対し殺細胞効果があることを明らかにし、その作用機序としてミトコンドリアへの影響を見出した。同種同所移植マウスモデルにおいてドラニダゾールと放射線照射の併用はマウスの生存延長に寄与し、ドラニダゾールが膠芽腫の放射線増感剤として有望な薬剤であることが示唆された。
放射線腫瘍学
膠芽腫は放射線治療抵抗性であることが多く、膠芽腫を制御するために放射線増感剤が求められている。本研究で膠芽腫に対する有望な放射線増感剤としてドラニダゾールを見出した。低酸素マーカーとして診療で使用されている18F-FMISOと同じ2-ニトロイミダゾール化合物であり、薬剤集積と効果予測とがたてやすいという利点がある。臨床試験に進む前段階の研究を行うことができた。