研究課題/領域番号 |
18K15605
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
富澤 信夫 順天堂大学, 医学部, 准教授 (60728509)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 心臓CT / 造影剤 |
研究実績の概要 |
前年度では心臓CTにおける低被ばくプロトコルの開発を行い、さらに、糖尿病罹病期間が長い患者では背景心筋血流量が低下することを示した。 今年度ではさらに、心筋撮影時のデータを用いて、冠動脈撮影時に使用する造影剤量や撮影タイミングを最適化する検討を行った。まず、心筋撮影時の左室内腔の最大CT値および到達タイミングといったパラメータと、冠動脈のCT値の関係を、線形回帰分析を行うことで導出した。次に、この関係式を用いて、冠動脈撮影時のプロトコルを決定して撮影を行った。この結果、冠動脈CTに使用する造影剤量に有意差はなかったが(49.3±8.0 mL vs. 47.9±12.9 mL, p=0.39)、冠動脈CT値のばらつきは減少した(p=0.02)。さらに、至適増強効果である320 HUから420 HUを得られた患者が54%から75%まで上昇した。 これまでの冠動脈撮影では体重により造影剤使用量を決定していたが、心拍数や血管床 の大きさ、弁膜症の有無などにより、増強効果にばらつきがあった。そこで、上記のような手法で事前に血行動態を把握することで、目的のCT値を得る精度を向上することができた。目的のCT値を得られることは診断精度を保つうえで重要な要素であるため、この手法を用いることで、冠動脈の診断能も改善することが期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定では心臓CTの撮影技術の確立と、得られるパラメータと病態との比較を行うことになっており、ほぼ狙い通りの成果が得られている。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度では、心臓CTから得られたパラメータにより、予後予測にどの程度寄与できるかをに関する研究を行う予定である。これまで登録された患者の予後データベースを完成させ、冠動脈病変だけでなく、心筋血流量や遅延造影の有無、細胞外液分画といった情報を加えて、予後との関連を解析する。
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次年度使用額が生じた理由 |
前年度で採択されると予想された論文が今年度に延びたため、未使用金が生じた。当該論文は最終の修正を終え、今年度中に採択される予定である。採択された場合はopen accessにするために、次年度使用額となった資金を使う予定である。
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