研究実績の概要 |
もやもや病28例に対してSMS-DSC MRIを用いて撮像した時間分解能0.5sの高時間分解能データとこのデータから合成した従来法相当の時間分解能データ(2.0s)とで灌流パラメータの定量的比較を行った。具体的には、脳血流量 (CBF) ,脳血液量 (CBV) ,平均通過時間 (MTT) ,time to peak(TTP) および Tmax に関して、0.5sデータセット及びそれらから1.0s~4.0sまで0.5s間隔でsubsamplingした時間分解能データセットを用いて潅流mapを作成し、0.5sデータセットの潅流パラメータをgold standardとして、各々の時間分解能のmapによる定量値を、慢性虚血域 (Tmax≧2 s) と非虚血域 (Tmax<2 s)とに分けて比較した。またこれらのデータセットから作成した潅流mapのimage qualityを0.5sをgold standardとして視覚的に比較した。結果、CBFとCBVとTmaxは0.5sデータセットに比してsubsamplingしたデータセットの値が過小評価される傾向があったが、MTTとTTP値にはほとんど有意な差は見られなかった。0.5sと1.0sの定量的検討ではTmax値が非虚血領域で1.0sにて過大評価されたが、その他の潅流パラメータでは0.5sと1.0sの違いは見られなかった。3.0s以上の時間分解能においては慢性虚血領域の容積は有意に過小評価されていた。Image qualityの検討ではCBFとCBVmapではそれぞれ3.0sと2.5sまで有意な画質の劣化は見られなかった。一方でMTT、TTP、Tmax mapの画質は0.5sと1.0sでは有意差が見られなかったが、1.5s以上では有意な画質劣化が見られた。これらの結果は下記の査読付き論文に受理され現在オンラインで先行公開されている。
|