研究課題/領域番号 |
18K15614
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研究機関 | 国立研究開発法人国立がん研究センター |
研究代表者 |
飯島 康太郎 国立研究開発法人国立がん研究センター, 中央病院, 医学物理士 (50792909)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | ゲル線量計 / PVA-Iゲル線量計 / 平板型ゲル線量計 / 放射線治療 / 品質保証 |
研究実績の概要 |
学会発表については、[Basic study of the PVA-I flat gel dosimeter in star shot analysis]というタイトルでJSMPで発表し、[平板型PVA-Iゲル線量計のFence試験への応用]というタイトルでJASTROで発表した。いずれもゲル線量計を放射線治療装置の一部のQAに適応することへの有用性を評価している。 論文投稿については、[Performance of a newly designed End-to-End Phantom compatible with Magnetic Resonance-guided radiotherapy systems.]として Medical Physicsに投稿中のものと、[Application of Innovative 2D Gel Dosimeter to Mechanical QA in Radiation Therapy. ]としてJACMPに投稿中のものがある。前者は、MRgRTシステムの照射精度をエンドツーエンドとして評価したものであり、ゲル線量計との比較を検討するために投稿している者である。後者は我々が開発した平板型可逆性ゲル線量計を放射線治療装置の様々なQAに適応可能であることを報告したものである。 各々の発表は当該研究の目的を達成するための成果であり、特に平板ゲル線量計に関しては我々が開発した線量計であるため、これについて広く公表することは非常に重要である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当該研究の目的はポリマーゲル線量計を用いた線量測定システムを開発することである。しかし、ポリマーゲル線量計に絞った線量測定システムの開発の意義は薄く、また広く実施されていることから、ゲル線量計全体に目を向けるようにした。その結果として、本邦で開発された可逆性ゲル線量計を用いた線量測定システムを開発することとした。 現在は、可逆性ゲル線量計の二次元化に成功し、多くのデータを取りためているところである。しかし、既存のフィルム線量計等の二次元線量計と比較しても遜色のない結果を得られてきていることから、今年度中の線量測定システムの完成は可能であると考えている。一方で、三次元線量測定システムの開発も進めている。現状、可逆性ゲル線量計に適応した三次元線量測定システムは存在しないため、現在はこれの開発も進めている。
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今後の研究の推進方策 |
当該研究は次年度をもって終了となるが、今年度までに多くの課題とともに将来性を得ることが出来た。次年度中に二次元線量測定システムを構築し、これについての論文化を行う。また当該研究の延長としての新規研究を実施するための検討を続ける。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナが原因で学会参加や発表が見送られたため。また、研究に必要な物品の発注が遅れているため。 次年度でもコロナによる学会参加や発表が見送られる可能性があるため、当該研究で開発しているシステムが確実に完成するように、必要物品の故障や不備に迅速に対応するために多くの研究費を割り当てる予定である。
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