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2021 年度 実施状況報告書

アラニン線量計によるIMRTの線量評価技術の開発

研究課題

研究課題/領域番号 18K15615
研究機関国立研究開発法人産業技術総合研究所

研究代表者

山口 英俊  国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 研究員 (10783194)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2023-03-31
キーワードアラニン線量計 / 強度変調放射線治療 / 電子スピン共鳴 / 線量測定
研究実績の概要

今年度は、当初は医療機関において実際の臨床で使用される強度変調放射線治療(IMRT)の治療計画を模擬してアラニン線量計に照射し、アラニン線量計で測定した線量と治療計画線量を比較することで、IMRTの線量検証にアラニン線量計が有用であるか確認する予定であった。しかし、コロナウイルス感染症拡大の影響や、当初は予定していなかった研究代表者の育児休業取得などの影響により医療機関での照射・測定結果の解析の実施が見通せなかったこと、また、IMRTにおける線量測定で昨年度までに判明したアラニン線量計の照射角度依存性について向上する方法を考案したので、今年度は照射角度依存性の向上のための研究を行った。
市販のアラニンペレットは円柱状の形をしており、照射される角度が異なると線量計内の放射線が通過する長さが変化し、照射角度によって線量が変化することが照射角度依存性の原因となっている。これを解決し照射角度依存性のない線量計にするためには、いかなる角度から照射されても放射線が通過する長さが変化しない理想的な形の線量計でなければならない。そのような理想的な形とは、球である。つまり、角度依存性をなくすためには球の形をしたアラニン線量計を作る必要がある。今年度は、アラニン粉末や、アラニン粉末と共に混ぜて固化するための母材などを用意し、実際に球状のアラニン線量計を新たに作製した。アラニンの配合量を変化させて、2種類の球状のアラニン線量計を作製した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究実績の概要で述べたように、コロナウイルス感染症の影響や当初は予定していなかった育児休業取得などの影響により、従来予定していた医療機関での強度変調放射線治療の治療計画に基づいたアラニン線量計への照射、その照射されたアラニン線量計の解析などを実施することができなかった。一方で、本研究によって明らかとなったアラニン線量計の角度依存性について、解消するアイディアを研究代表者が発案した。角度依存性を解消する線量計を作製することは従来の研究計画にはなかったものの、本研究にとって必要不可欠なことであったため、本年度実施した。ゆえに、本研究は順調に進行している。

今後の研究の推進方策

今年度実行できなかった医療機関における強度変調放射線治療の治療計画に基づいたアラニン線量計への照射、アラニン線量計で測定した線量と治療計画線量の比較を行い、アラニン線量計の強度変調放射線治療における線量測定の有用性を実証する。また、本年度作製した球状のアラニン線量計の有用性の実証も並行して行う。

次年度使用額が生じた理由

当初は今年度で本研究を終了する予定であったが、育児休業取得等の影響で研究機関を延長することにしたため、次年度に予算を繰り越している。次年度は医療機関と連携して研究を行うため、旅費などに用いる予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021 その他

すべて 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [学会発表] アラニン線量計を用いた粒子線の出力線量評価技術の開発2021

    • 著者名/発表者名
      山口英俊、石井隼也、後藤聡汰、武田正勝、清水森人、森下雄一郎、加藤昌弘、黒澤忠弘、坂間誠
    • 学会等名
      2020年度重粒子線がん治療装置等共同利用研究成果報告会
  • [備考] 山口英俊ホームページ

    • URL

      https://staff.aist.go.jp/hidetoshi.yamaguchi/

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公開日: 2022-12-28  

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