研究課題
吸気時息止め実測システムを導入し、研究の遂行、データの解析を行い、報告を行った。普段は、肺腫瘍に対して腹壁に置いた赤外線反射マーカーの信号で、4D治療計画CTを撮り、全呼吸相で照射を行う。吸気時に安定した息止め照射ができれば、PTVを小さく、肺の体積を増やし、肺線量を減らすことができると考えた。放射線治療計画CT時に、吸気量を実測できるシステムを、赤外線反射マーカーと同時に用いて、その信号特性を比較・検討する。また、全呼吸相で照射した実際の放射線治療計画と、吸気息止め仮想放射線治療計画を比較・検討する。肺腫瘍の3例に対して、吸気量実測システムと赤外線反射マーカーを、同時に用いてその信号特性、および全呼吸相で照射した実際の放射線治療計画プランと吸気息止めの仮想の放射線治療計画プランを比較した。リハーサルで最大吸気量を100%としてその85%±0.1 Lを実際の息止めの目標とした。吸気時息止め期の実測システムの信号±標準偏差(%)は、各々±4,±3,±1、赤外線反射マーカーは±13,±6,±7で、吸気時息止め期のばらつきが小さい。CTの肺体積の平均は仮想が、実際に比べて1.6 L大きく、PTVは1.5 cc小さく、肺V20、V5は各々1.2%、2.7%低い。吸気量実測システムの吸気息止め信号波形は赤外線反射マーカーよりばらつきが少なく安定する。また、放射線治療計画におけるターゲットの体積の低減と、正常組織の照射される線量の低減が図れることがわかった。
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