研究実績の概要 |
研究初年度に該当した昨年度に予定していた主な研究計画は,「材料の選定」である。人体の「脂肪」「海綿骨」「緻密骨」「その他の組織」が持つCT におけるHU値に近い材料を選定することが初年度のメインテーマであった。 まず下記の素材を作成および3Dプリンタメーカーから借用してそれぞれのCTを撮像してHU値を取得した。 ①エラストマー(硬度違い3種類) ②ウレタンゲル(硬度違い3種類) ③ABS ④デジタルABS+ ⑤PLA ⑥PC(硬度違い2種類) ⑦Tango+サポート剤 ⑧ultem9085 ⑨ASA ⑩ultem1010 ⑪NYLON12 ⑫NYLON12+CF ⑬アジラス ⑭アルミニウム。 その結果,HU値の最小は-888(PLA)で,最大は2000(アルミニウム)であった。また,多くの素材は-300から+200の間の値をとった。 目的の「脂肪」「海綿骨」「緻密骨」「その他の組織」はそれぞれ,-86,198,949,42のHU値を示すため,それらに一番近かった材料は,NYLON12(-97.7),ultem9085(159.5),アルミニウム(2000),PC orNYLON12+CF(26.5 or 51.6),であった。これらの素材をさらに各人体部位のHU値に近づけていく必要があるため,次に, 光硬化樹脂を使って4種類のハニカム構造(Low,Double,High,Solid)を3Dプリンタで作成して同じくHU値を取得した。その結果,ハニカム構造によって構造内の密度を変えていったときに,HU値は,-121→-350→-799→-606と値を段階的に変化させるこることができた。
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