研究課題/領域番号 |
18K15635
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
田中 高志 岡山大学, 大学病院, 助教 (10745368)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 腎腫瘍 / CT / 人工知能 / 深層学習 / 放射線医学 / 画像診断 |
研究実績の概要 |
腎腫瘍に対し適切に腎生検や手術の適応を判 断する上で、より精度よく、普遍的に実施できる術前検査法の開発が望まれる。人間の脳を模倣したDeep learning(深層学習)という情報処理技術により、画像に含まれる特徴や違いをコンピュータ自身が発見・分類することが可能となった。画像診断分野におけるこの深層学習の活用は注目されているトピックである。本研究では、Deep learningを用いて、腎腫瘍のCT 画像に対する診断支援システムの開発 および後向き観察研究により仮説検証を行い、専門家の知識・経験を代替する人工知能技術の開発および有用性を評価する。初年度の平成30年度は、過去の腎腫瘍症例データベースのうち、造影 CTにて指摘可能な腎病変を有し、かつ、病理組織学的診断の得られている症例をまず登録した。Deep learningには、画像と結果が一緒になった画像のデータセットが必要で、これら画像データを集める必要がある。平成30年度現在、登録症例の画像データ作成がほぼ完了している。また、すでに収集したそれぞれの画像に描出されている腎腫瘤を正方形に囲い込み解析用に保存している。学習用データを用いた機会学習として今回、深層学習のうち畳み込みニューラルネット(以下CNN)という手法を用いるが、機械学習専用に作成されたマザーボードやGPUなどを内蔵した専用タワーデスクトップ型コンピュータを科研費により購入し、CNNによるDeep learningソフトウェア環境の構築を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成30年度に予定していたデータベースの作成、症例登録、画像データの準備は終了し、現在、Convolutional Neural NetworkによるDee p learningソフトウェアを用いて解析を行っている。平成30年度の進捗は,総合的に考えると科学研究費補助金の応募の前に予定していた計画通りで,おおむね順調であるといえる。
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今後の研究の推進方策 |
Convolutional Neural NetworkによるDee plearningソフトウェ アを用いて、CT画像のトレーニング(教師あり学習)を行う。トレーニングされたDeep learningソフトウ ェアを用いて、テスト用データに対 する診断精度を評価する。結果は学会および学術誌を通じて発表・報告され、広く国内外に発信される。また、計画の進捗に合わせて、平成31年度~平成32年度に行う予定だった成果発表・報告を、順次行っていくこととする。
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次年度使用額が生じた理由 |
消耗品を節約できたため、次年度に繰り越した。次年度の消耗品に使用予定である。
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