研究課題
腎腫瘍に対し適切に腎生検や手術の適応を判断する上で、より精度よく、普遍的に実施できる術前検査法の開発が望まれる。人間の脳を模倣したDeep learning(深層学習)という情報処理技術により、画像に含まれる特徴や違いをコンピュータ自身が発見・分類することが可能となった。画像診断分野におけるこ の深層学習の活用は注目されているトピックである。本研究では、Deep learningを用いて、腎腫瘍のCT 画像に対する診断支援システムの開発 および後向き観 察研究により仮説検証を行い、専門家の知識・経験を代替する人工知能技術の開発および有用性を評価する。平成30年度は過去の腎腫瘍症例データ ベースのうち、造影 CTにて指摘可能な腎病変を有し、かつ、病理組織学的診断の得られている症例をまず登録した。Deep learningには、画像と結果が一緒に なった画像のデータセットが必要で、これら画像データを集める必要がある。学習用データを用いた機械学習として今回、深層学習のうち畳み込み ニューラルネット(以下、CNN)という手法を用いたが、機械学習専用に作成されたマザーボードやGPUなどを内蔵した専用タワーデスクトップ型コンピュータを科研費により購入し、CNNによるDeep learningソフトウェア環境の構築を行った。令和1年度は構築したニューラルネットワークに対する、学習データのトレーニングおよび、テストデータに対する結果を取得し、データを収集した。得られたデータに対する解析方法を検討し、結果に対する検討・解釈を行った。また、当該手法、結果については論文発表を行った。
2: おおむね順調に進展している
平成30年度にデータベースの作成、症例登録、画像データの準備は終了した平成31年度に、Convolutional Neural NetworkによるDee plearningソフトウェ アを用いて解析、論文発表を行っている。平成30年度の進捗は,総合的に考えると科学研究費補助金の応募の前に予定していた計画通りで,おおむね順調であるといえる。
追加で検討を加え、結果は学会ないし学術誌を通じてされ、順次、発表・報告を行っていくこととする。
消耗品を節約できたため、次年度に繰り越した。次年度の消耗品に使用予定である。
すべて 2020
すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件)
AJR Am J Roentgenol.
巻: 214 ページ: 605-612
10.2214/AJR.19.22074