研究課題/領域番号 |
18K15645
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研究機関 | 聖路加国際大学 |
研究代表者 |
野崎 太希 聖路加国際大学, 聖路加国際病院, 医幹 (80769646)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 圧縮センシング / MRI / 高速撮像 / 高解像化 / 最適化 / 臨床応用 |
研究実績の概要 |
撮像条件の検討および画像評価の後に、圧縮センシング(CS)の撮像条件の日常診療への組み込みを昨年度から開始した。腹部領域でのMRCP、頭部MRIおよび骨軟部MRIで応用を始めているが、とくに昨年度に検討した胸郭出口症候群、小児領域の頭部MRIを中心に検討を行っている。まず胸郭出口症候群であるが、MRIでの診断では上肢挙上位と下垂位における胸郭出口部の高分解能撮像が必要であり、3Dシーケンスと血管評価のためのMR血管撮影に対して、CSを導入して撮像時間の短縮を行っている。昨年までの対象者12名から30名に症例を集積して、3D-PDWI-CUBEと2D-PDWI-propeller、そしてTOF-MRAでの上肢挙上位・下垂位での画質評価を半定量のスケール指標を用いて行った。また上肢挙上位・下垂位での胸郭狭小化率、腕神経叢および鎖骨下動静脈の狭小化率の定量評価と胸郭出口における面積の計測を放射線科専門医3名にて行なった。3Dシーケンスの画質は2Dシーケンスよりも低かったが、画像読影においては問題ないことが示された。MRAにおいては有意差は得られず、CSを用いたMRI画像は臨床的に有用であることが示された。現在、論文を作成中である。次に小児領域の頭部MRIでのCSの臨床応用であるが、臨床に組みこみはじめて症例を集積中である。しかし、コロナ禍のため、症例収集や画像の検討について遅れが生じている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
圧縮センシングを用いた臨床用MRIへの応用をスタートしている。胸郭出口症候群用プロトコールについては、対象症例が30例までに増加して、解析・検討を行い、現在論文作成中であるが、小児領域の頭部MRIを含め、他の領域については、コロナ禍のため、症例収集や画像の検討について遅れが生じている。学会や研究会での発表についてもコロナ禍のため、2020年度はあまりできていない。以上より、本研究課題はやや遅れていると判断できる
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今後の研究の推進方策 |
コロナ禍のため、症例収集や画像の検討について遅れが生じているが、次年度はひきつづき、症例集積を含め、2020年度の研究計画を1年延ばして研究を継続して進める予定である。そして、従来までに撮像されてきたMRIとの比較・検討を行い、有用性および実臨床での問題点についての調査・検討を行い、国内外での学会発表と論文化を遂行する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍のため、研究が遅れていること、および学会発表、論文作成が予定通りに進まなかったために、使用額に差が生じてしまったが、本年度はそれにあてる資金としたい。
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