研究課題/領域番号 |
18K15658
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
永井 雅人 東北大学, 東北メディカル・メガバンク機構, 助教 (60707199)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | アレルギー / DOHaD仮説 / 出生コホート / ライフコース |
研究実績の概要 |
本研究課題は、mediation analysisや混合効果モデル、Marginal structure modelを用いて出生コホート研究のデータより、1)個人レベルの経時データから胎児期~乳幼児期を通したアレルギー性疾患に関連する曝露要因を探索すること、2)胎児期~乳幼児期の間でいつの時期の曝露要因が最も影響を与えるのかを検討すること、を目的としている。 三年計画の初年度は、コホート参加者の乳幼児健診のデータおよび学校健診のデータを収集し、解析用データセットの構築を行った。乳幼児健診のデータは各自治体と結んでいる協定を基に調整し、学校健診の情報は保護者からの代諾同意書を基に各自治体の教育委員会に相談の上各学校と調整しデータ収集を進めた。結果、乳幼児健診のデータは宮城県全35自治体中34自治体から5,262人分、学校健診のデータは51の中学校から102人分入手した。得られたデータは現在データベースへの取り込を進めており、データベース上でこれまでに入手済みの妊婦健診や分娩時、1ヶ月時のカルテ情報、繰り返し回答を依頼している調査票などの個人データと突合した。これによって、個人レベルで様々な経時データが揃った解析用のデータセットが抽出可能となった。また、次年度以降も今年度と同様な流れで新にデータ収集の対象となった子どもの該当データを引き続き収集していくこととなった。 以上より、初年度は次年度以降の継続的なデータ収集と解析を進めていくための基盤を構築した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度は、コホート参加者の乳幼児健診のデータおよび学校健診のデータを収集し、解析用データセットを構築することが目標であった。結果、個人レベルで様々な経時データが揃った解析用のデータセットが抽出可能となった。また、次年度以降も今年度と同様な流れで新にデータ収集の対象となった子どもの該当データを引き続き収集していくこととなった。
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今後の研究の推進方策 |
三年計画の二年目は、最終年度に向けて引き続きデータ収集を行い解析データセットの拡張を行うとともに、解析モデルを作成する。 まずは先行研究をレビューし代表的な曝露要因をひとつ選択し、適切な因果モデルを作成する。その後モデルに基づいて経時データを解析し、結果の妥当性を検討する。また、遺伝的な要因の寄与については子どものデータに両親および祖父母のデータを突合し、multilevel mediation analysisの適応可能性を検討する。 最終年度は二年目に検討したモデルを様々な曝露やアウトカム指標に対して展開し、解析を進めていく。これによっていずれの時期のどのような曝露が後のアレルギー性疾患罹患に強く影響するのか明らかにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
理由:人件費や参加を予定していた学会およびデータ収集にかかる旅費について、一部他の予算から支払うことになったため当初予定していた支出よりも少なく抑えられた。
使用計画:胎児期~乳幼児期の重要な経時データのひとつである母子健康手帳の情報のデータ化が遅れているため、この情報のデータ入力に使用し、データ化を促進させる。
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