脂肪萎縮症を除く先天性インスリン抵抗性症候群の原因遺伝子解析は継続的に行っており、国内多施設から依頼を受け解析結果を蓄積している。2021年までに、 小児内分泌専門医により、臨床的に診断された A型インスリン抵抗症小児例18例を対象に遺伝学的解析を行い、12例にINSR変異(いずれもチロシンキナーゼドメ インに位置)を認めている。 インスリン受容体異常症患者由来不死化細胞を樹立し、若年発症インスリン抵抗性糖尿病をきたす他の疾患との比較検討を行う予定である。 高度インスリン抵抗性を呈し、若年発症糖尿病をきたす疾患単位として、DNA損傷修復異常を生じるRecQヘリカーゼタンパク異常であるBloom症候群に着目し、 DNA損傷修復に関与する分子とインスリン受容体下流カスケードの関連を明らかにする研究を進めている。
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