本研究を通じて、本邦の小児期発症A型インスリン抵抗症の臨床像が明らかになった。また、臨床的に重症インスリン抵抗性症候群と診断される症例の中には、次世代シークエンスによる既存の網羅的遺伝子解析を用いても遺伝学的な原因が同定されない症例が含まれることが確認された。 今後はインスリン受容体異常症および類縁疾患に加え、高度インスリン抵抗性を呈し、若年発症糖尿病をきたす疾患単位として、DNA損傷修復異常を生じるRecQヘリカーゼタンパク異常であるBloom症候群に着目し、DNA損傷修復に関与する分子とインスリン受容体下流カスケードの関連を明らかにする研究を進める。
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