研究課題/領域番号 |
18K15671
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研究機関 | 東京薬科大学 |
研究代表者 |
宇野 愛海 東京薬科大学, 生命科学部, 助教 (30733357)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | CRISPR/Cas9 / 巨大染色体領域削除 / ヒト人工染色体ベクター / HAC / 染色体導入法 / MMCT |
研究実績の概要 |
Animal-free HACを構築することを試みた。、Chr.21qの遺伝子領域34Mb削除法の検討を行った。代表的なヒト細胞株として、ヒト不死化間葉系幹細胞(hiMSC)を選出した。この細胞内において、ヒト21番染色体を対象として、人工染色体ベクター(HAC)の構築を行った。方法として、Chr.21qのセントロメア近傍及び、テロメア近傍を標的とするCRISPR/Cas9発現プラスミドベクターを構築し、削除することにより、切断部分で非相同末端修復による再結合を介して、上述のChr.21qの遺伝子領域34Mbの削除が生ずると仮定した。また、RNA/タンパク複合体(RNP)により同様に染色体領域を削除する手法の開発も試みた。上記のプラスミドベクターおよび、RNPをエレクトロポーレーションにより、hiMSCに導入した。結果として、CRISPR/Cas9発現プラスミドベクター導入実験から取得した約200クローンにおいては、Chr.21q削除クローンは取得できなかった。一方で、RNP導入実験から取得した約200クローンにおいては、PCR解析の結果、1クローンにおいて、想定通りに、RNPによる切断が生じ、28Mbが削除されたことを示す組換え後のバンドを検出した。また、FISH解析の結果、正常hiMSCにみられる21番と比較して、上記クローンにおいては、Chr.21qの著しい短縮が認められた。このことから、想定通りChr.21qの28Mb削除法が確立できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初想定していたテロメアトランケーション法から、より簡便で、実用性が高いと考えられる、RNPを用いた巨大染色体領域削除法を用いてChr.21q遺伝子領域の削除ができると示された。
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今後の研究の推進方策 |
hiMSC内において、これまでに得られたhiMSC/Chr.21q削除クローン について遺伝子導入用サイトを挿入し、HACベクターを構築し、染色体導入法により、標的細胞株へ導入可能か検証する。。本手法についての特許申請及び、論文発表等を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
前年度からの未使用額があったため
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