2019年度の19例に追加して、帝王切開にて出生した10例、経腟分娩にて出生した5例を対象に制御性T細胞(Treg)の数的評価並びにTCRレパトア解析を行い以下の結果を得た。 ①Tregの数的評価:フローサイトメトリーを用いて、臍帯血、新生児末梢血のTregを2019年度の症例と合わせた経腟分娩13例、帝王切開21例で検討した。CD4+細胞におけるCD4+CD25+Foxp3+ TregおよびCD4+CD25+CD127lowTregの割合は、経腟分娩群、帝王切開群ともに臍帯血、新生児期早期末梢血、新生児期後期末梢血において有意差を認め、新生児早期にTregの増加を認めた。経腟分娩群、帝王切開群での有意差は認めなかった。 ②Tregの機能評価:Treg isolation kitを用いてTregとresponder T cellを分離し、Treg Suppresion Inspector を用いてTreg機能解析を行った。条件設定を調整し新生児期早期の検体を用いて機能解析を行った。 ③TCRレパトア解析:2019年度と合わせて経腟分娩群13例、帝王切開群21例でIOTest Beta Mark TCR Vβレパトア解析キットによるフローサイトメトリーを用いたTCR Vβレパトア解析を施行した。臍帯血と比し新生児早期および後期末梢血では、一部のTCRVβレパトア使用頻度が増加していたが、新生児早期と後期末梢血では有意差は認めなかった。帝王切開群と経腟分娩群では臍帯血と比べて新生児期早期および後期に使用頻度が増加したTCRVβレパトアのパターンに軽微な差を認めた。 ④腸内細菌叢の解析:便検体よりDNAの抽出を行ったが細菌叢の解析までは完遂できていない。
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