研究実績の概要 |
AADC欠損症はドパミン・セロトニン合成に必須の酵素AADCが先天的に欠損し、典型例は乳児期から運動発達が得られない常染色体劣性遺伝性疾患であり、我々はAADC欠損症に対してアデノ随伴ウィルス2型(AAV2)ベクターを定位脳手術により両側被殻へ注入する遺伝子治療を2015年から臨床研究として8名に治療を行った。(Kojima, et al, Brain 2019)。 本研究は現行のAADC欠損症遺伝子治療及び診断をより低侵襲・高効率とする方法の開発、遺伝子治療効果による器質的・機能的 な変化の解析、他の遺伝性小児神経疾患に対する遺伝子治療の開発が目的である。2022年度は、遺伝性小児神経疾患3疾患の患者iPS細胞から大脳皮質オルガノイド作成し、疾患毎の神経発達過程の違いを解析した。また、Rett症候群、MECP2重複症候群に対する治療法としてCRISPR-dcasシステムを応用したAAVベクターを開発し、解析中である。
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