研究課題/領域番号 |
18K15686
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
奥野 博庸 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (70445310)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | Prader-Willi sydrome / 視床下部 / iPS細胞 / MeCP2 / インプリンティング |
研究実績の概要 |
研究者はこれまでにインプリンティング疾患として有名なプラダー・ウィリー症候群患者よりiPS細胞を樹立し、欠失型PWSでは健常者由来細胞に比べて、iPS細胞化にともない、インプリンティングが部分的に解除されやすいことを見出した。PWS-iPS細胞を用いた患者モデルをin vitroで作成するためにはメチル化が維持される必要がある。またPWSが視床下部に関連する症状を主に呈しており、iPS細胞由来視床下部がin vitroモデルのターゲットになると考える。MeCP2結合領域をゲノム編集技術で皮膚線維芽細胞において欠失させてiPS細胞樹立を試みたが、iPS細胞の維持培養が困難であった。本年度は、すでに作出した健常者iPS細胞においてMeCP2結合領域を欠失させた細胞株の創出を試みた。また、iPS細胞から視床下部前駆体ニューロンへの安定して分化誘導する系を検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ゲノム編集したiPS細胞株の維持が困難である。ゲノム編集して欠落させた部位の働きの重要さがあるためにに生じている現象でもあると考え、検討している。
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今後の研究の推進方策 |
15q11.2領域にあるMeCP2結合部位の働きについてみることを目的としてゲノム編集して、当該領域のメチル化維持を観察する予定であったが、ゲノム編集する以外に、補助的なデータとしてMeCP2自体を欠失させたラインではこの領域におけるMeCP2が関与したメチル化維持がはたらかないことにより、iPS細胞維持におけるメチル化維持機構の破綻がおきるかどうかをしらべることを検討する。また視床下部への分化誘導はPWSの研究をする上で重要な事項であり、並行して進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
ゲノム編集株の作成をもとにした解析コストを計上していたが、株作成がおくれているために、次年度使用額が生じました。2021年度に実施したく思います。
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