本研究では、難治性の小児がん細胞株に対してBET阻害剤を用いたスーパーエンハンサーを標的とした治療研究を行うことにより、エピェネティック機構の制御による新規治療の開発とバイオマーカーの同定を目指した。 最初に小児がん細胞株(急性白血病、神経芽腫、横紋筋肉腫、骨肉腫など)を用いてBET阻害剤を用いて細胞増殖アッセイを用いた増殖抑制効果を検討を予定した。難治性小児がんの細胞株の中でB細胞性急性リンパ性白血病、T細胞性急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、神経芽腫の細胞株の培養を行い、増殖アッセイの実験系の確立を行った。BET阻害剤投与による増殖アッセイの実験系のについては細胞毒性が強く適正な条件の検討を行い、実験系の確立を行った。その後横紋筋肉腫細胞株、骨肉腫細胞株などを用いてエンハンサーを選択的に阻害するBET阻害剤による、細胞増殖アッセイに投与を行い、増殖抑制効果を確認することを予定したが未実施である。 平成31年度に予定した同定された抑制効果のみられた小児がん細胞株を用いて、H3K27acなどのChip-Seqによる解析を行いスーパーエンハンサー領域を同定。平成32年度はBET阻害剤用いたアッセイにて同定された小児がんの生細胞にて薬剤スクリーニング。またこのスーパーエンハンサー領域には特異的なmicroRNAが接合することが報告され、特定のmicroRNAを検索し、新たなバイオマーカーを検索を予定したが、実施はできなかった。
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