本研究では、ニーマンピック病C型 (NPC) に特徴的な脂質解析、細胞内異常代謝の局在解析、および脂質代謝の網羅的な変動解析を進めた。誘導体化法と質量分析法を駆使してLysosphingomyelin-509の構造解析を行った結果、新規脂質N-palmitoyl-O-phosphocholine-serineと同定するに至った。次いで、細胞内小器官の蛍光染色試薬を各種検討し、正しく細胞内小器官画分を追跡できることを確認した。各種脂質について、メタボロミクス解析手法を用いて、NPC患者に特徴的な脂質の変動を見出した。 本研究によって、NPCの新規脂質代謝異常の一端が明らかとなった。
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