研究課題/領域番号 |
18K15700
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
星野 愛 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 客員研究員 (90801928)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 急性脳症 / microRNA / けいれん重積型急性脳症 / 難治頻回部分発作重積型急性脳炎 / 熱性けいれん / 小児てんかん / 早期診断バイオマーカー |
研究実績の概要 |
本研究はけいれん重積型急性脳症を含む「急性脳症」と、熱性けいれんなどの比較的予後良好の「けいれん性疾患」を発症早期に区別する低侵襲性バイオマーカー探索を目的とし、Cell-free miRNAに着目して両群間の血清/髄液中の各miRNAの発現比較検討を進めている。研究代表者が所属する東大発達医科学と連携研究施設(東京都医学総合研究所 脳発達・神経再生研究分野 こどもの脳プロジェクト)との共同研究体制で広く急性脳症亜群である難治頻回部分発作重積型急性脳炎(AERRPS 10例)および対照群(小児てんかん 10例)の血清を用いてPathway-focused miRNA PCR Arrayで148のmiRNAについてリアルタイムPCRで定量解析および比較Ct法で各miRNA発現を両群間で比較した。miR-124-3p、miR-372-3p、miR-145-5pは難治てんかん群と比較しAERRPS群で有意に高発現、miR-215-5pは有意に低発現を示し、両群を区別するバイオマーカー候補となる可能性が示唆されている。昨年度からけいれん重積型急性脳症(AESD)と対照群(熱性けいれん)を対象にHuman and Serum Pathway miRNA arrayを用いた91のmiRNA発現解析と二群間でのmiRNA発現の比較解析を継続している。従来のバイオマーカーとして既報告の血清中または髄液中のサイトカイン・ケモカインとバイオマーカー候補のmiRNAについての相関を検討する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
Pathway miRNA arrayを用いた網羅的なmiRNAの発現比較を進めるための一連の実験条件を確立し、Comparative CT法を用いたmiRNA発現比較解析において血清に恒常的に安定発現するリファレンス遺伝子も定まった。昨年度までに集積した急性脳症症候群の血清試料について網羅的なmiRNA解析は進行しているが、比較Ct法による対照群との比較解析やサイトカイン・ケモカインとの相関解析が計画よりやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
次年度はAESD群と対照群(熱性けいれん:FS)の血清試料を用いて二群間で網羅的なmiRNA発現結果を用いて比較解析と従来のバイオマーカーであるサイトカイン・ケモカインとの相関についての検討を継続して予定である。 また症例の髄液試料を用いたCellfreemiRNAに着目した診断バイオマーカー探索の実験条件を確立し研究を発展させる方策を継続的に検討している。 ①AESD群とFS群間でのComparative CT法を用いたmiRNA発現比較解析(現在進行中) ②同血清試料内のサイトカイン・ケモカインとmiRNA発現との相関について検討 ③髄液試料からのcell-free RNA抽出一連の実験条件を確立
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次年度使用額が生じた理由 |
髄液試料内のCell-free RNAは血清試料と比較し低発現を示すことから、miRNA発現解析を実施するためにRNA・cDNA抽出手順において実験系が確立していない。 今年度は髄液試料でのmiRNA発現解析実験に必要な試薬購入費として使用計画中である。 昨年度は国内外の学会参加費に計上する予定であったが主にオンライン会議であった、今年度は学術集会は現地開催での参加が主なことから学会参加費としても支出予定である。
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