近年、これらの疾患は病理学や遺伝生物学的な研究の発展に伴い、原因や病態が徐々に解明されてきている。我々は小児科の中でも血液腫瘍学を専門としているため、脈管異常に起こっている凝固異常を、本体から理解し研究をすることが可能である。国内外においても、この点に注目して研究を行っている施設はほとんどなかった。一方で、mTOR阻害剤であるシロリムスの難治性脈管異常に対する有効性は極めて高く、ブレークスルーになると期待されている。その有効性を検証するための臨床試験は海外で行われてきつつあり、今後さらに注目されるだろう。また本薬の薬理作用に関する研究報告はほとんどないため、本研究は非常に意義深かったと考える。
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