ウイルス関連の急性脳症のうち、サイトカインストーム型急性脳症は予後不良の疾患だが、有効な治療法は未確立である。我々は、発症からの臨床経過を分単位で記録した臨床データベースと、患者由来検体を用いることでサイトカインストーム型急性脳症の病態と新規治療戦略について研究した。サイトカインストーム型急性脳症で、炎症が、いつ、どの程度関わっているのかが明らかとなった。著しい高サイトカイン血症を認める症例でも、早期に強力な抗炎症治療を行うことで、後遺症を軽減させられる可能性が示唆された。今後、炎症以外の病態が「いつ、どの程度」関与するかの解明と、各病態に対して特異的な治療法の確立が望まれる。
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