研究課題
本研究ではこれまで発見されていない小児ステロイド感受性ネフローゼ症候群の発症に関与する自己抗体の発見や単一遺伝子異常によりステロイド感受性ネフローゼ症候群を発症しうるの分子の発見を目的とする。また、最終的には、それらの発見に基づいて疾患特異的な治療の開発を行うことを目指している。我々は既に小児ステロイド感受性ネフローゼ症候群の発症に関連する可能性のある分子をいくつか同定し得た。現在はその機能解析やそれらの分子のもたらす相互作用を明らかにする研究を進めているところである。その成果の一部は2018年6月に行われた日本小児腎臓病学会の学術集会や日本腎臓学会学術集会で発表を行った。また、2019年11月にアメリカで行われたASN Kidney Week 2019でもこれまでの成果の一部を発表した。我々は、同じ遺伝子変異(ネフリンをコードするNPHS1)が、変異によっては先天性ネフローゼ症候群やステロイド抵抗ネフローゼ症候群を引き起こす他、小児ステロイド感受性ネフローゼ症候群の感受性遺伝子となりうることを見出した。また、その他の腎疾患(遺伝性腎疾患と慢性腎臓病や糖尿病性腎症など)でも同一遺伝子の異常(変化)によるphenotypeの違いがあることに着目し、それらを引き起こす機序を解明することで病態を明らかとすることを目指している。現在は小児ステロイド感受性ネフローゼ症候群患者の血清を用い、ネフリンなどの分子に着目した自己抗体の検出を試みており、検出が期待される。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件)
Journal of Human genetics
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