IRAK4 欠損症は自然免疫の障害で発症する免疫不全症で,重症化を防ぐために早期診断が極めて重要となる。一方で抗 NMDAR 脳炎は,宿主獲得免疫の賦活化を介した自己免疫機序が発症に関与しており、中枢性低換気,不随意運動などを認める。乳児期発症の抗 NMDAR 脳炎は非常に稀であり,全エクソーム解析を試行した結果,IRAK4のヘテロ接合性新規遺伝子変異(Y10Cfs*9, R12P) が同定された。両変異の機能解析を行い,IRAK4 遺伝子変異を適切に評価する新規の評価系を確立した。また、本研究で、早期発症の抗 NMDAR脳炎の一部が先天的な免疫異常に基づき発症している可能性を見出した。
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