生体指標にはストレスに対する過渡的受動的変化の他に,生体の内在機能に起因する持続的な変動(ゆらぎ)が観察される。成人では心拍変動を周波数解析した結果を自律神経指標とした文献は多い。しかし、乳児では心拍数や呼吸数は明らかに成人と異なり、計測時安静状態を保つことは困難であるためこれまでに有効な解析方法は確立されていなかった。今回の研究では、乳児の体動にも対応できる変動幅を利用した新たな心拍変動解析により生体内リズムを評価する方法を開発した。睡眠リズムを心拍変動で判断し、在胎週数や出生後の日齢による違いを検討し、心拍変動解析は乳児期早期から発達予後を予測する一つの方法となり得ると考えた。
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