研究課題/領域番号 |
18K15722
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
津田 兼之介 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 臨床研究医 (20727507)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 新生児 |
研究実績の概要 |
本研究は,子宮外環境における様々なストレスの積み重なりが脳循環制御の破綻へと導き,高次脳機能障害につながるという仮説に基づき,脳血流量や脳酸素代謝をベッドサイドでモニタリングし、そこから短期エンドポイントであるMRI評価および長期エンドポイントである認知機能・高次脳機能を占う早期マーカーを確立することを目的としている. 研究初年度には,新生児集中治療室に入院した児において各種パラメータの情報を(1)いかに検者間、症例間の差がなく収集が可能か(2)年間どの程度の症例数集められるか(3)現実的にどの程度のインターバルで経時的にデータ収集が可能かを検討し以下の結論を得た. (1)各種パラメータの収集法の統一化をはかった.(2)年間入院数によって変動はするものの年間20例前後は収集可能なことがわかった.(3)生後早期は収集回数が多く欠損値が出やすいものの,パラメータの集約化,統計学的手法の工夫により解決可能なことがわかった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度の目的であった症例の蓄積,データの収集は進んでいる.急性期のデータ収集については病的新生児においても多くは施行可能であることが示された.また短期エンドポイント(MRI),長期エンドポイント(発達予後)の評価方法も入院~外来まで一貫してシステムを構築することで確立されている.
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今後の研究の推進方策 |
各種パラメータについて,取得したデータを解析可能な形に変換できるかどうかを検討する必要がある.近赤外線スペクトロスコピーや超音波検査など日常的に使用されていて,かつポイント毎に得られるパラメータの解析は比較的簡単にできるが,呼吸心拍情報など長期連続データについては収集されたデータの解析方法に確立されたものがない.そのため解析方法から検討する必要がある.またより多くの症例を対象とするために情報収集スケジュールを再度検討する必要がある.
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次年度使用額が生じた理由 |
超音波検査のプローブが耐用年数に近づいており購入の必要がある.超音波検査は数あるパラメータの中でも重要であり,正確・確実なデータ収集に購入は必須であると考える.
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