研究課題/領域番号 |
18K15734
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
李 知子 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (10596042)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | デュシェンヌ型筋ジストロフィー / エクソンスキッピング治療 / スプライシング / イントロン内スプライシング制御配列 / アンチセンスオリゴヌクレオチド |
研究実績の概要 |
デュシェンヌ型筋ジストロフィー(Duchenne muscular dystrophy: DMD)に対してアンチセンスオリゴヌクレオチド(As-oligo)によりエクソンスキッピングを誘導する治療が注目されている。エクソン内スプライシング制御配列を標的とし、スプライシングを変化させる治療であり、近年世界各国で治験が進められている。しかし、明確な臨床効果を示すには至っておらず、治療効果を増強する新たな戦略の開発が急務となっている。研究代表者らは、多数のDMD症例の遺伝子解析を実施してきた中で、ジストロフィン遺伝子内において、イントロン内にスプライシングを制御し得る配列があることを明らかにした。さらに、これまでのエクソンスキッピング治療研究の中で、スキッピング効率が症例によって異なり、その差異がESE以外のイントロン内スプライシング制御部位に由来する可能性を見出した。これらのことより、研究代表者らは、DMDに対する治療においても、イントロン内スプライシング制御配列を同定し、AS-oligoにより抑制することで、生体内でより効果的にスプライシングを制御し得る可能性に着想した。2019年度は、2018年度に引き続き、DMD症例のゲノムDNAを用いて欠失変異の解析を行った。さらにmRNAを解析し、スプライシング異常を同定した。また、これらの症例における欠失断端などのイントロン内の塩基配列をPCR法、およびダイレクトシークエンス法による詳細な解析に取り組んでいる。イントロン内スプライシング制御配列を同定できるように検討している。さらにDMD患者由来培養筋細胞mRNAにおいて、DMD遺伝子のISEをAS-oligoを用いて抑制し、スプライシングの変化を検証する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
イントロン配列の詳細な解析に時間を要している。
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今後の研究の推進方策 |
1)欠失断端などイントロンの塩基配列をPCR法、およびダイレクトシークエンス法により詳細に解析していくことにより、イントロン内スプライシング制御配列を同定する。 2)DMD患者由来培養筋細胞mRNAにおいて、DMD遺伝子のISEをAS-oligoを用いて抑制し、スプライシングの変化を検証する。 3)DMD患者由来培養筋細胞において、DMD遺伝子のESEおよびISEの両方をAS-oligoを用いて抑制することによる、スプライシングの変化およびジストロフィン蛋白発現の増加を検証する。
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次年度使用額が生じた理由 |
イントロン配列の詳細な解析に時間を費やしており、予定していた試薬等を使用しなかったため次年度使用が生じた。次年度に必要な試薬等、消耗品の購入に使用を予定している。
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