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2019 年度 実績報告書

胎盤細胞におけるm6A修飾の機能及び、妊娠合併症の機能解明

研究課題

研究課題/領域番号 18K15737
研究機関国立研究開発法人国立成育医療研究センター

研究代表者

谷口 公介  国立研究開発法人国立成育医療研究センター, メディカルゲノムセンター, 研究員 (90808718)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2020-03-31
キーワードRNAメチル化 / N6メチルアデノシン / 胎盤 / 妊娠高血圧腎症 / エピトランスクリプトーム / トランスクリプトーム
研究実績の概要

mRNAの化学修飾(epitranscriptome)は, mRNAの安定性を変化させ翻訳を調節する. その中でも特にN6-メチルアデノシン(m6A)はmRNAのメチル化修飾の中で最も豊富で, その分子機構及び様々な病態との関連が報告されている. 一方、ヒト胎盤でのm6A修飾の意義は未だ報告はされていない。
本研究では, 様々な出生体重児と妊娠高血圧腎症(Preeclampsia: PE)の胎盤を用いて網羅的m6A解析を行った. どの胎盤も他の細胞を用いた既報告と同様stop codon近傍にm6A修飾が最も集積した. 一方, 検体間のm6A修飾の差は5’UTRで最も顕著だった. 各mRNAの5’UTRのm6A修飾量で検体をクラスタリングすると, 妊娠週数に対する出生体重の群によって検体が分類された.さらに, それらの出生体重,疾患群毎で有意にm6A修飾量が変動する遺伝子を同定した. それらのほとんどの遺伝子は発現量に差はなかった. その中で, 正常とPE胎盤で、遺伝子発現量に変化はないものの有意にm6A修飾が増加したSMPD1遺伝子に注目したところ, SMPD1のタンパク質量はPE胎盤で有意に増えていた.また, SMPD1の5'UTRのm6A修飾モチーフ配列に着目し, ヒト絨毛細胞株を用いたmutagenesis luciferase arrayを行うと, SMPD1の5’UTRのm6A修飾が翻訳効率上昇に寄与する可能性を示唆する結果を得た.
SMPD1と同様,それぞれの出生体重, 疾患群毎にmRNA量に差はないが,m6A修飾量に有意差を認めたmRNAが今回同定された.これらのmRNAが翻訳促進を介してタンパク質量に差を生じ,総じて胎盤機能に影響を与える可能性が示唆された.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Epitranscriptomic profiling in human placenta: N6-methyladenosine modification at the 5'-untranslated region is related to fetal growth and preeclampsia.2020

    • 著者名/発表者名
      Taniguchi K, Kawai T, Kitawaki J, Tomikawa J, Nakabayashi K, Okamura K, Sago H, Hata K
    • 雑誌名

      FASEB Journal

      巻: 34(1) ページ: 494-512

    • DOI

      10.1096/fj.201900619RR

    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2021-01-27  

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