本研究は、多彩な病態を示す潰瘍性大腸炎の治療戦略において、遺伝的背景を考慮することの重要性を示唆するものであり、将来の個別化医療における遺伝子情報の有用性を明らかにしている。現在、潰瘍性大腸炎の新規治療薬が次々と実用化されてきているが、それぞれの治療有効性は決して高いものではなく、効果がある薬剤を探しながら順に使用している流れであるが、遺伝情報を活用することで、その優先順位などを考慮し、より効率的かつ安全に治療を行うことが可能となる。また、効率的・安全な治療は、不必要な治療を回避することで医療経済的な効果があることから、本研究結果などをもとにあらたな治療モデルの構築につながる可能性がある。
|