研究課題
培養細胞を用いた実験については、前年度の結果から、マウス肝細胞株AML12にエタノール負荷を行うと、オートファジー抑制を伴うアポトーシスの亢進がみられることがわかった。エタノール負荷後にオートファジー亢進薬として知られるラパマイシンを投与したところ、オートファジーの抑制は改善し、Caspase 3/7活性上昇は改善した。一方で、siRNAを用いてオートファジー抑制タンパクRubiconをノックダウンさせたところ、オートファジーの抑制も改善されず、細胞死の軽減も認めなかった。また、マウス実験に関しては、前年度の結果から、NIAAAモデルと気化エタノール暴露モデルにおいて肝脂肪蓄積の増加と肝細胞アポトーシスの亢進を認め、肝組織においてオートファジー抑制が示唆された。そこで肝細胞で恒常的にオートファジーが亢進しているAlbumin-Cre Rubicon flox/floxマウスに対してNIAAAモデルと気化エタノール暴露モデルを用いて表現型を検討したところ、肝細胞オートファジーの抑制は改善されず、細胞死の軽減や脂肪蓄積軽減を認めなかった。また、野生型マウスに対するNIAAAモデルと気化エタノール暴露モデル中にラパマイシンを経口投与したが、肝細胞オートファジーの改善を認めず、細胞死の軽減や脂肪蓄積軽減も認めなかった。一方、タモキシフェン誘導性に肝細胞でAtg7をノックアウトできるAlbumin-Cre ER Atg7 flox/floxマウスを作成し、通常飼育したでタモキシフェン誘導後2週間の表現型を検討したところ、肝腫大を認め、前年度の培養細胞の検討と同様に、肝細胞アポトーシスの亢進を認めた。
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