研究課題
若手研究
本研究では、肥満に伴う高レプチン血症(分子量16kDaのアディポサイトカイン)と、胃MALTリンパ腫の発生・進展について、細胞培養実験と生体モデルを用いて検討した。細胞培養実験では、レプチンを介したシグナルがリンパ腫増悪を誘導する所見が示され、胃MALTリンパ腫を模倣する生体モデルでは、高脂肪食が胃MALTリンパ腫の増悪に繋がることが示された。
消化器内科
これまでに、がんと肥満の関連に関する報告は多く存在するが、生体モデルを用いて、胃MALTリンパ腫と肥満の関連を調べた研究はない。本研究によって、肥満に伴う高レプチン血症が、胃MALTリンパ腫の増悪に繋がることを示すことで、脂肪食制限等の食事への介入が胃MALTリンパ腫の進展抑制に繋がる可能性があること、レプチンシグナルの遮断が胃MALTリンパ腫の新規治療開発に繋がる可能性があることを示した。