食道粘膜への胃酸や胆汁を含む胃食道逆流液曝露が種々の遺伝子変化を引き起こし、バレット食道のみならずバレット腺癌の発生においても重要な役割を果たしているものと考えられているが、その発症や癌化についての詳細なメカニズムはまだ明らかとなっていない。
●組織学的にバレット食道と診断されたヒト生検組織を用いて、Notchシグナル関連蛋白(受容体: Notch1、リガンド: Delta-like 1、下流標的因子: Hes1)、Cdx2、MUC2(腸型ムチン) とmiR-200 family(miR-200a、miR-200b、miR-429)の蛋白発現状況を免疫組織染色法にて、mRNA発現をReal-time PCR法にて検討を行なった。バレット食道におけるNotch1発現は食道扁平上皮と発現に差は認めず、バレット食道において著明なHes1低下とAtoh1発現亢進を認めた。また、miR-200 familyについては、発現低下を認めた。
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