まず、2種の膵癌細胞株PK-1とPK-9に種々の濃度のガレクチンー9を投与し、cell proliferation assayを行い、癌細胞増殖について検討した。PK-1、PK-9共に濃度依存的に増殖抑制効果を認めた。また、アポトーシスの誘導をcaspase cleaved keratin18を測定することにより検討し、ガレクチン-9によりアポトーシスの誘導が生じていることを証明した。さらにガレクチン-9の膵癌に対する抗腫瘍効果に関連するマイクロRNAを同定する目的でPK-1において、2555分子のマイクロRNAのうち、ガレクチン-9投与後に有意な差をもって(p<0.05)癌細胞内に上昇した-マイクロRNAは13分子、減少したマイクロRNAは6分子であった。癌細胞内(PK-1)で減少していたmiR-301は、エクソソーム内で増加していた。機能解析としてPK-1に遺伝子導入すると細胞の浸潤能が増強した。よって、miR-301は、膵癌の進展抑制の標的分子となりうる。
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