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2018 年度 実施状況報告書

非アルコール性脂肪性肝炎におけるエピジェネティック制御機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 18K15762
研究機関東海大学

研究代表者

近田 裕美  東海大学, 医学部, 特別研究員 (60712776)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2020-03-31
キーワードNASH / エピジェネティック制御 / Bcl6
研究実績の概要

脂肪肝から肝発ガンまでを再現したNASHモデル系を構築し、肝臓特異的Bcl6欠損マウスを用いた解析から、この病態発症にBcl6が関与することを見出している(特別研究員奨励費)。Bcl6は遺伝子上流の特定のDNA配列に結合するとともに、N-CoRやHDAC、B-CoR等のコレプレッサー複合体構成因子群をリクルートすることでヒストンアセチル化などのエピゲノム変化を制御する可能性が示唆されている。このことから、NASH発症にBcl6のエピジェネティックな機能が関与している可能性を考えた。そこで、本研究ではBcl6のエピジェネティックな制御機構の観点から、NASH発症メカニズムを解明しようと試みた。Bcl6の分子機能はB細胞等の免疫系細胞では明らかにされつつあるものの、肝臓における報告はほとんどない。そこで、肝臓のBcl6のエピジェネティックな機能を解明するために、Bcl6の相互作用因子群を生化学的に精製することとした。まず、in vitro培養系において、FLAG-Bcl6を過剰発現し、FLAG抗体による免疫沈降を実施した。この結果、293T細胞においては、Bcl6は既に相互作用することが知られているBCoRと相互作用することを確認できた。しかしながら、HepG2では過剰発現の効率が低く、Bcl6-BCoRの相互作用は確認できていない。今後は、HepG2において効率よくFLAG-Bcl6を過剰発現する系を構築し、Bcl6-BCoR等の既知の相互作用を確認する。また、これと並行して、HepG2にてFLAG-Bcl6安定発現株を作製し、Bcl6相互作用因子群の同定に十分な量を確保できる精製系の構築につなげる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

HepG2におけるFLAG-Bcl6過剰発現系の構築とBcl6の相互作用因子群を同定するための精製系のスケールアップに時間を要している。

今後の研究の推進方策

HepG2におけるFLAG-Bcl6過剰発現系の構築と精製系のスケールアップを完了し、HepG2におけるBcl6の相互作用因子群を同定する。また、相互作用因子群から、Bcl6のエピジェネティックな活性に関与するものを抽出し、Bcl6がどのようなヒストン修飾活性を有するかを検証する。さらに、肝臓特異的Bcl6欠損マウス肝臓のヒストン修飾状態を評価する。これらの検討により、Bcl6がどのようなヒストン修飾に関与するかを明らかにする。
また、NASH病態特異的なヒストン修飾状態を同定し、このヒストン修飾状態を指標としたNASH予防、治療法の開発につなげる。

次年度使用額が生じた理由

(理由)
物品費使用等の使用金額合計が予定金額を下回った。
(使用計画)
実験食、分子生物学、生化学的解析に必要な試薬の購入に使用する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Establishment and analysis of a mouse model that regulates sex-related differences in liver drug metabolism2018

    • 著者名/発表者名
      Chikada Hiromi、Ida Kinuyo、Ando Emi、Inagaki Yutaka、Sakamoto Akemi、Kamiya Akihide
    • 雑誌名

      Laboratory Investigation

      巻: 98 ページ: 1500~1511

    • DOI

      10.1038/s41374-018-0088-6

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 転写因子Bcl6は肝臓の薬物代謝酵素遺伝子群の性差発現を制御する2019

    • 著者名/発表者名
      近田裕美、井田絹代、稲垣豊、紙谷聡英
    • 学会等名
      第12回日本性差医学・医療学会学術集会

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公開日: 2021-01-27  

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