HBV持続感染を介した肝発がんのメカニズムには、長期慢性炎症を要さない肝発がんにおけるHBVの直接的な関与も考えられる。我々はHBV陽性肝がん細胞株HepG2.2.15におけるヒトゲノム内へのウイルスDNA組み込みに着目し、NGS解析および組み込み部位近傍のメチル化解析を行った。HepG2.2.15はMT-CO3/HBVの組み込みが継続的に保存されているものの、その組み込み部位に関してはDNAメチル化という形でエピジェネティックな制御を受けていることが分かった。HepG2.2.15におけるミトコンドリア機能障害は示唆されたが、その要因がMT-CO3/HBV組み込みによる影響ではないと考えた。
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