「遊離脂肪酸とオートファジー」の研究は肝領域のみならず様々な領域でなされているが、現在のところ、オートファジーを促進する化合物はあるものの、超選択的に促進する化合物はなく、ヒトの疾患でオートファジーをターゲットにした治療は限られている。本研究によりオートファジーの障害機序を明らかにすることで「オートファジーの誘導」ではなく、「障害されたオートファジー機能の回復」という新たな治療戦略の基盤作りが可能となることを期待している。現在食事療法や運動療法が主体であるNASHにおいても、本研究によってオートファジーのメカニズムがさらに理解されれば、NASH治療の一助になると考える。
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