研究実績の概要 |
1.膵嚢胞(IPMN)の良悪性診断に関して研究継続した。平成30年度は単施設後ろ向き研究でpreliminary studyを行い良好な結果がでて研究報告を行った(Kuwahara T, et al. Clin Transl Gastroenterol. 2019 May 22;10(5):1-8.)。令和元年度は多施設共同研究を推進した。日本膵臓学会の嚢胞性腫瘍委員会が主導で本邦のhigh volume center9施設で集積されたIPMN約1000例の超音波内視鏡画像を集積してAIを作成する多施設共同後ろ向き共同研究を開始した。また、その研究に対して、日本消化器内視鏡学会附属のデータセンター(Japan endoscopic database project:JED)のバックアップを受けて、収集画像の個人情報マスキングソフトを作成し各施設に配布した後に画像を収集予定である。またAI作成のために、東京大学医科学研究所遺伝子ゲノムセンターのスーパーコンピューターを利用する予定である。令和2年度中に症例集積を終了し、スーパーコンピューターを用いて解析する予定である。その結果を令和2年度中に論文報告する予定である。
2.AIによる膵腫瘍の鑑別の研究に関しては、当施設のデータのみ(膵腫瘍約400例、約8000画像)で解析した予備的研究を行った。IPMNの時と同方法では十分な診断能が得られなかったために、data augumentationにdeep convolutional generative adversarial networksを用い学習を行った。その正診率は約94%という結果であった。現在論文作成中である。また同内容を国内学会(JDDW2020)にて発表予定である。
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