研究課題/領域番号 |
18K15770
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
井尻 学見 旭川医科大学, 大学病院, 客員助教 (00646078)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | siderophore / LCN2 / 腸管保護 / 免疫細胞 |
研究実績の概要 |
Lipocalin2(LCN2)は腸管上皮や好中球から分泌される蛋白であり,細菌が分泌する金属キレート分子Siderophoreと結合し,細菌の鉄獲得を阻害する。その際形成されるSiderophore-LCN2複合体は,菌による免疫阻害作用や過度の炎症から細胞を保護することが知られている.しかし,LCN2と結合する菌由来siderophoreは数種類しか同定されておらず,腸管上皮におけるSiderophore-LCN2複合体の認識機構や作用機序は不明である.本研究では,ヒトに対して安全なプロバイオティクスから,LCN2と結合し抗炎症作用を発揮する結合物質を同定し,その作用機序を解明する.これによりプロバイオティクス由来物質とヒト由来LCN2による複合体形成を介した新しいhost-microbe interactionの学術分野が創造されるとともに,この複合体を用いた新規腸炎治療薬開発の基盤的成果を得ることを目的として研究を推進している.これまでに、菌由来siderophoresを上皮細胞に処置し、細胞保護タンパクの一種であるHeat shock protein (HSP) 27およびHSP70を誘導するsiderophoreとしてTriacetylfusarinine C (TAFC)を同定し、上皮細胞におけるバリア増強作用や免疫担当細胞における抗炎症作用を見出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Siderophore類を上皮細胞に処置してスクリーニングすることにより容量依存的にHSPsを誘導するsiderophoreとしてTAFCを同定した。また、腸バリアを増強させることを、免疫担当細胞に作用して抗炎症作用を発揮することを見出した。
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今後の研究の推進方策 |
腸管保護作用を発揮するプロバイオティクス株やsiderophore類の探索は継続して推進する。トランスクリプトーム解析やプロテオーム解析を行い、同定したsiderophore類の腸管保護メカニズム解析を推進する。生体内における腸炎治療効果を薬剤誘発腸炎モデルやT細胞移入腸炎モデルなどのモデル動物で検証する。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19の影響により物品の発注や納品が遅れたため
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