研究課題
本研究はMC4R遺伝子欠損によるNASHモデルマウスにおける、Maid遺伝子の作用を解析することによる、NASH進展機構の解明および治療法の開発を目的とした。MC4R遺伝子、Maid遺伝子両欠損マウスは、MC4R単独遺伝子欠損マウスに比べ、より高度の肥満を呈するという表現型が認められたものの、高脂肪食投与による肝内でのMaid遺伝子および、その下流の遺伝子発現の変化は確認できなかった。加えて、1歳齢まで飼育し肝癌およびその悪性度における評価も、MC4R遺伝子、Maid遺伝子両欠損マウスとMC4R単独遺伝子欠損マウスは有意な差は認めず、本モデルマウスにおいては肝癌の発症及び進展にはMaid遺伝子は影響を与えなかった。部分肝切除においては、MC4R遺伝子、Maid遺伝子両欠損マウスは生命力が弱く、部分肝切除により高率に死亡してしまうため、Maid遺伝子欠損と野生型マウスで部分肝切除における肝再生の評価を行ったが、Maid遺伝子欠損による肝再生の変化は認められなかった。一方で、MC4R遺伝子、Maid遺伝子両欠損マウスは、肝脂肪蓄積を増加させることなく高度の肥満を呈する、従来のNASHモデルとは異なる肥満モデルマウスであり、このメカニズムについて解析中である。
すべて 2021
すべて 学会発表 (2件)