経口内視鏡的筋層切開術(POEM)後には食道内でHoemophilusとNeisseriaの割合が有意に増加し、POEMの合併症である逆流性食道炎の関与が疑われた。しかしながら、POEM前後で食道内細菌叢の多様性に有意な変化はみられなかった。また食道内細菌叢と食道炎・食道扁平上皮癌発癌の関連は見いだせなかった。 内視鏡的な炎症所見はPOEM後に有意に改善しており、食道細菌叢の異常以外の機序(例えば機械的な刺激など)が慢性的な食道炎と関与している可能性が示唆された。POEMによる炎症所見の改善は将来的な発癌予防につながる可能性があり、POEMは発癌予防の観点からも有効である可能性が示唆された。
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