研究実績の概要 |
膵癌の超音波内視鏡下針生検(EUS-FNA)材料を用いたsingle cell RNAseqを試みたが、近年、膵癌診断目的のEUS-FNAは25G針を用いる頻度が増加し、当初本研究に使用可能な検体量を確保することが困難であった。経過で切除不能膵癌患者に対する抗PD-1抗体薬使用が、microsatellite instability highの患者で使用可能となり、ある程度の組織量確保が可能となった。その後single cell化を試みたが難渋した。マウス肝細胞と同様にCollagenase type IV, DNase Iを使用してのsingle cell化を試みたが、線維芽細胞やextracellular matrixが多いためか、十分なsingle cell化が不能であった。次いでpancreatic stellate cellのisolationで用いられるCollagenase Pなどを使用、他膵島細胞のisolation方法を試したが、cell viabilityが頻回に50%を切り、回収可能な細胞数が5000を切るなど、安定したsingle cell化、十分な細胞数を確保するためのプロトコールを確立することができず、single cell RNA seqは断念した。EUS-FNA検体(組織以外の穿刺針内容物)を用いた細菌叢解析も試したが、腸内細菌叢との鑑別が困難であり、診断・予後予測に有用な結果を得ることができなかった。
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