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2018 年度 実施状況報告書

血清マイクロRNAを用いた慢性C型肝炎SVR症例の予後予測法開発

研究課題

研究課題/領域番号 18K15786
研究機関香川大学

研究代表者

田所 智子  香川大学, 医学部附属病院, 病院助教 (50813177)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードC型慢性肝炎 / マイクロRNA
研究実績の概要

C型肝炎抗ウイルス(HCV)治療の一つであるエルバスビル・グラゾプレビル併用療法における治療成功率は高確率であるものの100%ではなく、HCV駆除に関連するバイオマーカーの同定はまだされていない。
また、C型慢性肝炎患者では脂質・糖代謝異常、肝線維化、肝発癌の潜在的リスクが高いレベルで存在しウイルス排除出来たにも関わらずその後の経過で適切な医療機関への受診がなされず非アルコール性脂肪肝炎(NASH)が進行し、発癌する可能性があり、今後の最大の課題の一つである。その予防のためにはHCV駆除後の肝線維化、肝発癌の予測バイオマーカーの開発が急務である。
マイクロRNA(miRNA)は、癌を含む多種疾患の新規診断マーカーとしても期待されている。治療前後のC型慢性肝炎・肝硬変患者血清から抽出したエクソソームmiRNAを解析し病態、臨床経過との関連性を検証することで、治療後の予後予測のための非常に優れたバイオマーカー確立、さらにはNASH発症や肝線維化に対する治療標的分子への応用も期待できるものと考えた。
今年度はC型肝炎患者の末梢血液34例について、治療導入時、治療終了後の血液検査を施行する際に同時採取した。収集された血液から血清を分離し、全miRNAおよびエクソソームRNAについて解析を行った。今後各エクソソームmiRNAの発現変化パターンに基づいて症例をグループ化し、治療経過の各時期で比較検討することで治療に関連するバイオマーカーとしてのmiRNAの同定を試みる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

おおむね順調に症例が確保できており、可能であれば更なる症例の蓄積を行いつつ、現時点で集まった症例について深い検討を要する状態である。

今後の研究の推進方策

エクソソームmiRNAの発現変化パターンから分類した各患者グループにおいて治療前後およびSVR達成後の経時的な肝線維化マーカー、肝腫瘍マーカーを血液検体から測定し同時に定期的な腹部画像所見から肝脂肪化や肝線維化更に肝発癌の有無に関するデータを集積し、各グループにおいて早期の段階で発生するNASH/NAFLD発症、肝線維化進展、肝発癌の発症リスクについて前向きに解析を行い、これらの合併症発生と相関するエクソソーム内miRNAを同定する。その後、合併症発生率の予測に有用なmiRNAの選別とそれを用いた合併症発生予測アルゴリズムを、各種統計解析ソフトを駆使して設計・作成する。

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公開日: 2019-12-27  

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