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2020 年度 実績報告書

血清マイクロRNAを用いた慢性C型肝炎SVR症例の予後予測法開発

研究課題

研究課題/領域番号 18K15786
研究機関香川大学

研究代表者

田所 智子  香川大学, 医学部附属病院, 助教 (50813177)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード慢性C型肝炎 / マイクロRNA / エルバスビル・グラゾプレビル / アスナプレビル/ダクラタスビル / 肝線維化 / 肝細胞癌
研究実績の概要

C型慢性肝炎患者のHCV駆除に関連したマイクロRNA(miRNA)の同定を目指し、C型肝炎治療に用いる直接型抗ウイルス剤(DAA)の一つであるエルバスビル/グラゾプレビル併用療法におけるC型肝炎治療前後のマイクロRNA(miRNA)の変化について検討を行った。さらに臨床的意義を高めるために、他のDAA治療薬であるアスナプレビル/ダクラタスビル併用療法における治療前後のmiRNAを同様の手法で検討しウイルス駆除に関連すると思われるmiRNAを同定した。
アスナプレビル/ダクラタスビル群では16種類、エルバスビル/グラゾプレビル群では18種類のmiRNAの発現量が増加または減少する傾向を示した。これらの分子のうち、有意な発現差が得られたのは、hsa-miR-762という1つの分子のみであった。hsa-miR-762の発現は、持続的ウイルス陰性化を達成したすべての患者において、HCVウイルス排除後に増加した。リアルタイムPCR法により、HCVの消失後に血清中のhsa-miR-762が有意に増加することが確認された。逆に、DAA治療失敗者のうち、HCVの再燃例やブレイクスルー例では、hsa-miR-762は減少していた。さらにHCVゲノムレプリコンを含むHuh-7肝細胞にhsa-miR-762をトランスフェクションすると、HCV-RNAの複製が有意に減少した。以上から、hsa-miR-762がDAA療法によるHCV排除に関与する宿主因子の一つであることを本研究にて明らかにした。今後HCV治療後の発癌に関しては、症例の集積をさらに行う必要があり、検討を予定している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Identification of microRNA associated with the elimination of hepatitis C virus genotype 1b by direct‐acting antiviral therapies2021

    • 著者名/発表者名
      Yoneyama Hirohito, Tadokoro Tomoko, Masaki Tsutomu, et al.
    • 雑誌名

      Journal of Gastroenterology and Hepatology

      巻: 36 ページ: 1126-1135

    • DOI

      10.1111/jgh.15224

    • 査読あり / 国際共著

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公開日: 2021-12-27  

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