研究課題/領域番号 |
18K15796
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
村上 敬 順天堂大学, 医学部, 准教授 (10568158)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | serrated pathway / 大腸鋸歯状病変 / 大腸癌発育進展 / serrated lesion / sessile serrated lesion |
研究成果の概要 |
免疫組織学的にMLH1発現低下は5病変に認め、β-catenin核内発現は全例に認められた。粘液形質発現に関して7病変が胃腸混合型で、残り1病変が大腸型であった。NGS解析ではBRAF変異(7病変)を認め、その他FBXW7(3病変)、TP53(2病変)の変異を認めた。さらに、MSI解析では8病変中4病変がMSI-highであり、残りの4病変はMSSであった。興味深いことにMSI-highの4病変はすべてMLH1発現低下を示し、うち3病変がFBXW7変異を有していたが、TP53変異は1病変も認めなかった。他方、MSSの4病変中2病変はTP53変異を有していたが、FBXW7変異は認めなかった。
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自由記述の分野 |
大腸鋸歯状病変
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
serrated neoplasia pathwayはその発育進展にBRAF変異、Wnt/β-cateninシグナルの活性化、胃腸混合型粘液形質が関与すると考えられた。さらにserrated neoplasia pathwayはMSI大腸癌へと進展する経路のみならずMSS大腸癌へと進展する2つの経路が存在し、前者ではMLH1発現低下やFBXW7変異、後者ではTP53変異が関与するなど異なる分子生物学的特徴を有する可能性が示唆された。BRAF変異MSS大腸癌は組織学的に悪性度の高い病変として知られており、serrated neoplasia pathwayのさらなる解析が望まれる。
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