本研究を通して構築された研究基盤によって、大腸がんに関連する腸内細菌叢について、イタリア及びドイツの研究グループと共同研究を行い、人種間で共通して進行大腸がんに特徴的な腸内細菌群が存在することを報告した。さらに、多発大腸腺腫や早期大腸がん(粘膜内がん)症例の便中にすでに特徴的な細菌や代謝物質が存在することを世界で初めて明らかにした。また、外科切除による腸内環境の特徴を検討し、胃切除後症例及び大腸切除後症例において腸内環境の変化について纏めて、それぞれの研究成果を報告した。 今後は、膵がん患者において特徴的な腸内環境を解明し、抗悪性腫瘍剤の治療反応性との関連など臨床応用を目指す研究を進めていく。
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