研究実績の概要 |
我々は、食道症状を有する患者に高解像度食道内圧計による運動機能解析を行い、食道運動異常症の疾患分類であるシカゴ分類のminor disordersは、機能性消化管疾患(FGIDs)の疾患概念(ローマ分類)である機能性食道疾患と一部overlapする可能性を示唆した。一方で、AchalasiaやMajor disordersは食道運動異常症として独立した疾患概念であると考えられた(Sato H, J Gastroenterol Hepatol. 2019)。また、Achalasiaにおいては嚥下困難・嘔吐・胸痛などの症状から体重が減少することが知られているが、それに伴い骨格筋量低下などの体組成変化が起こること、そして、内視鏡的筋層切開術による治療後も骨格筋量の改善は十分ではないこと、皮下脂肪よりも内臓脂肪が有意に上昇することをdual bioelectrical impedance analysisを用い明らかにした(Mizusawa T, J Gastroenterol Hepatol. 2020)。引き続き小腸の運動機能の解析を開始している。疾患患者のカプセル内視鏡を用いた小腸運動機能の解析では個人内・個人間の差が大きいことが示唆されている(Tominaga K, Annals of Translational Medicine. 2020)。
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