研究課題
シネMRIによる小腸運動能の解析を継続し行った。腸管の運動能の評価にMahalanobis距離を用いることで画像解像度に依存せずに評価が可能であり有用であった。慢性偽性腸閉塞症(CIPO)においては、過敏性腸症候群(IBS)・健常者(HC)と比較し腸管蠕動能の低下・腸管径の増大により明瞭に鑑別が可能であったのに対してIBSの腸管はHCとの運動能の比較で相当のオーバーラップを認めた。IBSを小腸運動能においてHCと鑑別することは困難であった(論文投稿中、major revision)。小腸運動には蠕動運動・分節運動・振子運動があり内容物種類によりこれらが様々な割合で出現するがCIPO患者ではこれらすべてが低下していると考えられる。一方、我々の研究ではHCや非CIPO患者においては小腸運動能は個体差も大きいと考えられ(Tominaga, et al. Ann Transl Med. 2020)、それぞれ種類の運動能の評価には長時間の運動パターンの観察・解析する必要があり更なる研究が必要である。食道運動異常症であるAchalasiaにおいては内視鏡的筋層切開術(Peroral endoscopic myotomy)が施行される。多施設共同研究により、抗血栓薬内服中の患者においても内視鏡治療ガイドラインの遵守でPOEMは安全かつ有効な治療選択枝となることが明らかになった(in press)。一方、合併症として、粘膜下出血・筋層出血や、それによる粘膜の離層など(合併症)が生じた場合は通常の内視鏡治療の際の粘膜出血と比べより慎重な経過観察や集約的治療が必要になることが示された。
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Journal of Gastroenterology and Hepatology
巻: - ページ: -
10.1111/jgh.15708