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2019 年度 実施状況報告書

Oncostatin Mシグナル抑制に着目した胃がん発生メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 18K15806
研究機関富山大学

研究代表者

南條 宗八  富山大学, 学術研究部医学系, 助教 (70649285)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード胃がん / DNAメチル化 / OSMR
研究実績の概要

昨年度得られたデータが予想と一部異なっていたため、再現性の確認を行った。ヒトのH. pylori非感染胃粘膜5検体、胃がん患者の胃がん組織および(H. pylori感染)非がん胃粘膜16対の検体からDNAおよびRNAを抽出した。次に、抽出したDNAをバイサルファイト変換し定量的メチル化特異的PCR法を用いてOSMR遺伝子のプロモーター領域のDNAメチル化状態を解析した。また抽出したRNAから逆転写酵素を用いてcDNAを作成し、定量的RT-PCR法を用いてOSMR遺伝子のmRNA発現状態を解析した。その結果、DNAメチル化レベルについて、胃がん患者の非がん胃粘膜は非感染胃粘膜や胃がん組織より高くデータの再現性が得られた。mRNA発現レベルについて、胃がん組織は胃がん患者の非がん胃粘膜や非感染胃粘膜よりも高く、こちらも再現性が得られた。また、mOSMR遺伝子プロモーター領域のDNAメチル化レベルと同遺伝子のmRNA発現レベルは逆相関関係を示し、こちらも再現性があった。H. pylori非感染胃粘膜は全て低DNAメチル化状態でmRNA発現も低レベルであった。胃がん患者の非がん胃粘膜では低DNAメチル化状態から高メチル化状態まで分布していたが、mRNA発現は総じて低かった。胃がん組織ではほとんどの検体で低DNAメチル化状態で一部の検体でmRNA高発現となっていた。OSMR高発現の胃がん組織はいずれもびまん型の組織型であった。以上、再現性のあるデータであった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

他の業務に時間を取られ、本研究を順調に進めることができなかった。
臨床検体の採取が計画より遅れているため、解析できる検体数が少なくなった。
当初の想定とは違い、胃がん組織の多くで低メチル化状態であり、OSMR遺伝子のDNAメチル化が発がんに関与する頻度は高くないことが示唆された。

今後の研究の推進方策

現在、臨床検体の採取がスムーズに行える体制が整っており、今後の検体採取のペースアップが期待できる。
今後は、DNAメチル化による発現調節にこだわらず、胃発がんにおけるOSM-OSMRシグナルの働きに注目し研究を進める。
具体的には、ラット正常胃粘膜細胞にH.pyloriを共培養したり、TNFαやOSM刺激したりすることで細胞増殖などの機能変化を調べる方針である。

次年度使用額が生じた理由

実験計画に遅れが生じたため、次年度使用額が生じました。次年度に消耗品費に充てる予定です。

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公開日: 2021-01-27  

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