研究課題/領域番号 |
18K15806
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
南條 宗八 富山大学, 学術研究部医学系, 助教 (70649285)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 胃がん / DNAメチル化 / OSMR |
研究実績の概要 |
ヒトのH.pylori非感染胃粘膜5検体、胃がん患者の胃がん組織および(H.pylori感染)非がん胃粘膜16対の検体から得られたDNAおよびDNAを用いて、OSMR遺伝子のmRNA発現レベル、DNAメチル化レベルを解析した。胃がん組織は胃がん患者の非がん胃粘膜や非感染胃粘膜よりもOSMR遺伝子のmRNA発現レベルが高かった。また、胃がん患者の非がん胃粘膜は非感染胃粘膜や胃がん組織よりDNAメチル化レベルが高かった。さらに、OSMR遺伝子プロモーター領域のDNAメチル化レベルと同遺伝子のmRNA発現レベルは逆相関関係にあった。H.pylori非感染胃粘膜は全て、低DNAメチル化状態でmRNA発現も低レベルであった。胃がん患者の非がん胃粘膜では低DNAメチル化状態から高メチル化状態まで分布していたが、mRNAレベルは総じて低かった。胃がん組織ではほとんどの検体で低DNAメチル化状態で一部の検体でmRNA高発現となっていた。OSMR高発現の胃がん組織はいずれもびまん型の組織型であった。ラット正常胃上皮細胞RGEにTNFα、オンコスタチンM(以下、OSM)刺激を加え、細胞増殖の変化を確認した。TNFα(25ng/ml)またはOSM(10ng/ml)単独の刺激では細胞増殖速度は上昇した。一方、TNFα、OSMの共刺激では、それぞれの単独刺激に比べて細胞増殖速度が低下した。特にday5-7にかけて細胞数の低下があった。TNFα、OSM濃度を変えても(TNFα 12.5ng/ml、OSM 5ng/ml)同様の結果であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルス感染拡大に伴い、他の業務に時間を取られ、本研究を順調に進めることができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
ラット正常胃上皮細胞でOSMRをノックダウンし、TNFα、OSM刺激による細胞増殖の変化を調べる。
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次年度使用額が生じた理由 |
実験計画に遅れが生じたため、次年度使用額が生じました。次年度に消耗品費に当てる予定です。
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