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2018 年度 実施状況報告書

超音波内視鏡下穿刺吸引生検による膵癌局所リンパ球の解析

研究課題

研究課題/領域番号 18K15811
研究機関大阪大学

研究代表者

吉岡 鉄平  大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (60814605)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2020-03-31
キーワード膵癌 / EUS-FNA / リンパ球
研究実績の概要

悪性腫瘍の中でも膵管癌は予後不良で、新規治療の開発やその病態解明は喫緊の課題である。近年登場した免疫チェックポイント阻害薬は多くの癌種で良好な成績が報告されているものの、膵管癌は間質が豊富な乏血性腫瘍で免疫原性(tumor mutation burden)が低いため、同治療の効果は限定的であるとされている。一方、近年のゲノム解析から膵管癌にも亜分類がなされるようになってきており、免疫チェックポイント阻害薬の効果を期待できる免疫原性膵癌が存在する可能性が示唆されている。同定のためには腫瘍局所の検体を用いた検討が必要であるが、膵管癌は診断時には転移を有するなど手術適応外であることが多く、解析のための腫瘍検体を得ることが難しい癌腫であることも課題であった。
我々は超音波内視鏡下穿刺吸引細胞診(EUS-FNA)で得られた膵管癌の残余検体から、磁気分離法やフローサイトメトリーを用いることでCD45陽性リンパ球を単離し、免疫チェックポイント分子の発現を解析することに成功した。このことで切除不能例が大部分である膵管癌においても、外科手術無しに得られた検体を用いて、膵癌の免疫原性を解析することができる可能性がある。これまでに超音波内視鏡下穿刺吸引細胞診前に本検討の同意を取得した症例は8例で、得られた残余検体を集積している。また、一部の症例では同時に末梢血から単核球を単離・保存している。
本研究によって、近年増加傾向にある膵管癌患者のうち、外科的介入がなされなくても免疫原性膵癌などの亜群を同定できる可能性がある。また、腫瘍局所と末梢血のリンパ球の比較を同一患者において行うことで、膵管癌の宿主免疫からの回避機構の解明にもつながる可能性がある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

膵癌患者におけるEUS-FNA検体からのリンパ球単離操作に習熟しつつ、生検・血液検体の収集中である。現在8例から同意書を得て研究を遂行中で、当初の計画に近く順調に進捗していると考えている。

今後の研究の推進方策

引き続いてEUS-FNA検体の収集に努めるとともに、末梢血から単核球も同時に単離して、保存をする。収集した検体を単一細胞解析にかけることで、腫瘍局所と末梢血におけるリンパ球の表現型の差を解析することも検討している。現在一部の検体を単一細胞化をすすめているが、酵素原性の強い膵臓の特性から細胞分散が難しい。コラゲナーゼやフローサイトメトリーのsorting機能を用いての対応を検証中である。

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公開日: 2019-12-27  

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